「生活習慣病」という言葉は、テレビやメディアで頻繁に取り上げられ、耳にする機会が増えています。ここでは、生活習慣病とはどのような病気なのか、またその種類について詳しくご紹介します。病気の特性を理解し、予防や改善に役立てていきましょう。
生活習慣病とは
生活習慣病とは、その名のとおり、生活習慣が原因で発症する病気を指します。具体的には、食事、飲酒、喫煙、運動習慣、ストレスなどが生活習慣に含まれます。これらのうちの一つまたはいくつかの習慣が不規則であったり、乱れたりすることで病気が発症すると考えられています。
さらに、生活習慣病は治療を行わず放置していると、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気を突然引き起こすことがあることから、「サイレントキラー」とも呼ばれています。 20世紀以降、感染症よりも生活習慣病による死亡者の割合が増加しており、生活習慣病の予防と改善は、国民が健康に過ごすための重要な課題となっています。
このような方は受診をおすすめ
- 健康診断で血圧が高いと指摘された。
- 朝起きたときに頭痛やめまいを感じる。
- 健康診断でコレステロール値が高いと言われた。
- 喉が渇きやすくなり、飲み物をたくさん飲むようになった。
- 尿の回数が多くなった。
- 突然、足の親指の付け根が赤く腫れて痛み出す。
- 尿酸値が高いと診断された。
- 最近、お腹周りに脂肪が増えてきたように感じる。
- 20代の頃に比べて体重が10キロ以上増えた。
- 睡眠時間が短くなったり、眠れないことがある。
- ストレスで何もする気が起きない。
生活習慣病の種類
生活習慣病と呼ばれる病気には以下の5つの病気があります。
高血圧
高血圧は、血圧が基準より高い状態を指し、一般的には医療機関で測定した際、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上である場合に高血圧と判断されます。日本では20歳以上の国民の約半数が高血圧であるとされており、非常に多くの人が罹患しています。
高血圧の主な原因は塩分の過剰摂取とされていますが、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝的体質なども要因と考えられています。生活習慣病による日本人の死亡率に最も関係しているとされており、高血圧を改善することで日本の死亡率が下がる可能性があると言われています。
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。初期段階ではほとんど症状が見られませんが、進行すると神経障害、網膜症、腎症などを引き起こす可能性があります。これらの合併症により、失明や生涯にわたる人工透析が必要になることもあります。
糖尿病は、口渇、多飲、多尿といった症状が出る頃には、病気がかなり進行していることが多いため、定期的に検査を受けて早期発見や予防に努めることが重要です。不規則な食生活、肥満、運動不足などが主な原因とされ、見た目が痩せていても糖尿病に罹患する可能性があります。
脂質異常症（高脂血症）
脂質異常症は、悪玉コレステロール（LDLコレステロール）、善玉コレステロール（HDLコレステロール）、中性脂肪（トリグリセライド）の血中濃度が正常値から逸脱している状態を指します。特にLDLコレステロールは動脈硬化などを引き起こすリスクがあるため、値が140mg/dL以上である場合、何らかの治療や生活指導が行われることがあります。
高尿酸血症（痛風）
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が7.0mg/dlを超える状態のことで、尿酸が体内で結晶化し、関節や耳たぶなどに蓄積することで炎症を起こし、痛風を発症することがあります。尿酸値が高いだけでは症状は現れませんが、女性ホルモンの影響で男性に多く見られ、閉経期の女性でも高尿酸血症のリスクが高まります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、血圧、血糖、脂質の3つの指標のうち2つ以上が基準を超え、かつ腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上の状態を指します。この状態自体には症状がありませんが、さまざまな疾患に進行する可能性があるため、早期発見と治療が重要です。
生活習慣病の原因
生活習慣病は、乱れた生活習慣が主な原因となります。食事では、炭水化物や肉、甘いものばかりを多く摂り、野菜や魚をあまり食べない偏った食事、ジャンクフードや脂っこい食事の頻度が高い、過度の飲酒、深夜の食事、間食の頻繁化が挙げられます。運動面では、歩く機会が少なく、ほとんどが車移動や通勤程度の運動しかしていないことが問題です。生活面では、多量の喫煙、ストレスの多さ、睡眠不足が関与しています。これらの要因が複数組み合わさることで、生活習慣病のリスクが高まります。
生活習慣病の予防
生活習慣病は、最初から明確な症状が現れるわけではなく、徐々に進行し、気付いた時にはしっかりとした治療が必要な場合もあります。そのため、異常を早期に発見し、早めに対応することが大切です。また、生活習慣病を予防するには、規則正しくバランスのとれた食事、適度な運動、喫煙や飲酒の控えめな生活、十分な睡眠、ストレスをためない生活が必要です。 まずは自分の健康状態を知ることが大切です。医療機関で血液検査を受け、脂質や尿酸の値、血圧を確認することで、適切な予防が可能となります。生活習慣病を防ぎたいと考えるなら、一度健康診断を受けてみることをお勧めします。
